ICEF2024 プログラム
プラネタリー・バウンダリーを
グリーン・イノベーションでより良く生きる
プラネタリー・バウンダリーを
グリーン・イノベーションでより良く生きる
10月9日(水)
開会式
9:15 - 9:45
キーノートセッション
9:15 - 9:45
プレナリーセッション 1
9:50 - 11:20
プラネタリー・バウンダリーとエネルギー・トランジション
地球環境の変化は著しく、世界の平均気温は年々上昇し、2023年には観測史上最高を記録しました。ストックホルム・レジリエンス・センターによって確立された地球の限界という概念では、9つの限界が提示されています。これらの限界は、地球のシステムの安定性と復元力を制限するもので、私たちの普段の生活様式を脅かすような大規模な環境変化を引き起こす可能性を示しています。2023年時点で、これら9つの限界のうち6つが境界を越えていると認識されています。
有限である地球というシステムにおける持続可能性が何を意味するのかを理解するために、今まさに行動を起こすことが急務です。複雑で多様な全世界のサプライチェーンセクターにより引き起こされるであろう影響、および地球規模での天然資源の枯渇をもたらす分野間の相互作用の解明が必要であります。材料とエネルギーの流れは、組織、行政、地理的な境界を越えると推測され、それによって環境問題の転換、有害な慣行の伝播、ガバナンスの問題、場合によっては国境を越えた紛争を引き起こす可能性があります。
このセッションの目的は、地球の限界に関する最新の情報を踏まえた上で、地球の現状を評価し、現存する課題を特定し、持続可能な未来を構築するために必要な政策と革新について議論します。
サリー・M・ベンソン
ICEF 運営委員
ホワイトハウス科学技術政策局
副所長・最高戦略責任者
スタンフォード大学教授(エネルギー理工学)
田中 伸男
ICEF 運営委員長
元国際エネルギー機関(IEA)事務局長
タナカグローバル株式会社 代表
ホーセン・リー
ICEF 運営委員
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)
元議長
ヨハン・F・ロックストローム
ポツダム気候影響研究所所長
ポツダム大学地球システム科学教授
ストックホルム大学教授(水資源と地球の持続可能性)
川本 徹
産業技術総合研究所 首席研究員
石井 菜穂子
東京大学グローバル・コモンズ担当総長特使
グローバル・コモンズ・センター ダイレクター
未来ビジョン研究センター 特任教授
マヤ・グロフ
クライメイトガバナンスコミッション議長
ニュー・インスティテュート プラネタリーガバナンスプログラム議長
インテグリティ・イニシアチブ・インターナショナル法律上級顧問
キーノートセッション
12:40 - 13:40
キーノート2
スピーカーアブドッラー・ビン・ハマド・アル・アティーヤ
アブドッラー・ビン・ハマド・アル・アティーヤエネルギー&サステナブルデベロプメント財団会長
元カタール副首相兼エネルギー・工業大臣
貞森 恵祐
国際エネルギー機関(IEA)エネルギー市場・安全保障局長
ヘレ・クリストファーセン
トタルエナジーズ
執行委員会メンバー、アジア地域代表
スペシャルセッション
13:45 - 14:45
ネットゼロに関する特別対話
最先端の技術、政策、国際協力など、さまざまな視点からグローバルなグリーン・イノベーション(世界的な環境問題に対する持続可能な変革)への道筋が共有されています。多くの国や企業が脱炭素化の目標を宣言し、よりグリーンな社会への移行の実現のために尽力しています。これらの目標を達成するためには、実際に脱炭素化が進んでいるかどうかを検証し、現存する困難な点を明らかにすることが不可欠です。
本セッションの目的は、京都議定書以降に達成された炭素排出削減と、2050年までのネットゼロの実現可能性に焦点を当て、グリーン・トランジションの現実について理解を深めることです。
田中 伸男
ICEF 運営委員長
元国際エネルギー機関(IEA)事務局長
タナカグローバル株式会社 代表
イスマイル・セラゲルディン
ICEF 運営委員
ニザーミー・ギャンジャヴィー国際センター
評議会議長
アレキサンドリア図書館 創立名誉館長
元世界銀行副総裁
バーツラフ・シュミル
ICEF 運営委員
マニトバ大学 特別名誉教授
坂野 晶
ICEF 運営委員
一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパン
代表理事
一般社団法人Green innovation 共同代表
株式会社ecommit 取締役CSO
(Chief Sustainability Officer)
ホーセン・リー
ICEF 運営委員
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)
元議長
テクノロジーセッション 1
15:00 - 16:00
気候安定化技術(二酸化炭素除去(CDR)とジオエンジニアリングテクノロジー)
現在の温室効果ガス(GHG)排出削減率と規模は、パリ協定で交渉された世界の平均気温を産業革命前の水準より2℃よりはるかに低く、可能であれば1.5℃に抑えるという目標を達成するには不十分です。今世紀半ばまでに世界全体の温室効果ガスの排出量を急速に削減し、ネットゼロにするという望ましい状況でも、交渉で決められたレベルまで安定化させる前に、この野心的な目標を超えてしまう可能性が高く、その結果「オーバーシュート」が発生します。排出量のオーバーシュートの範囲と期間を縮小し、気候の安定化を達成するために、いくつかの技術的オプションが提案されています。結果として、気候安定化技術の開発と導入の重要性がますます高まっています。
排出量の軽減と気候変動への適応は、引き続き最優先事項とすべきです。
気候安定化技術には、ネットマイナスの排出が含まれます。
重要な新技術として、DACCS(大気中の二酸化炭素の直接回収・貯留)、耐候促進、バイオ炭施用による炭素貯留、海藻・海草による炭素固定化など、二酸化炭素除去(CDR)が知られています。
これらの新技術は、気候や人々に様々な恩恵をもたらす一方で、生物多様性の向上と相反する可能性などのリスクをはらんでいます。これらの技術には克服すべき技術的課題が多く、導入コストなどの問題から普及が進んでいない側面もあります。
本セッションでは、CDRやその他の気候安定化技術の展望、導入を促進するための解決策、国際的な政策やガバナンスの枠組みについて議論します。
ネボイシァ・
ナキチェノヴィッチ
ICEF 運営委員
欧州委員会主要科学アドバイザーグループ(GCSA)バイスチェア
国際応用システム分析研究所(IIASA)
名誉研究員
ウィーン工科大学 エネルギー経済 名誉教授
黒田 玲子
ICEF 運営委員
中部大学先端研究センター 特任教授
東京大学 名誉教授
G7 GEAC
(男女共同参画諮問委員会)2023 委員
山田 秀尚
金沢大学教授
ホーリー・J・バック
バッファロー大学准教授
シモーネ・ティルムス
米国国立大気研究センター(NCAR)プロジェクトサイエンティストⅢ
テクノロジーセッション 2
16:15 - 17:15
水素の本格的な利活用への備え
世界の多くの国々は、2035年または2040年までに二酸化炭素を排出しない社会システムを目指しています。このような状況において、低炭素水素には、重工業、大型輸送、電力など多くの分野の脱炭素化において重要な役割を果たす可能性があります。そのためには、パイプライン、発電所、水素貯蔵施設など、大規模なインフラが必要となります。ドイツをはじめとするいくつかの国では、天然ガス火力発電所が政府からの助成金の対象となる「水素対応可」であるか否かについての議論が進められており、明確な定義を求められています。さらに視野を広げると、世界中の国々が、既存のインフラを低炭素水素の使用に移行させる方法と、産業の規模拡大に合わせてどのような技術が必要となるかを検討しています。現在、インフラを水素対応に移行させるための技術革新プロジェクトが世界中で進行中です。例えば、日本企業と米国企業、フランス企業は高圧水素輸送用パイプライン技術の開発に着手しました。さらにインド政府は、鉄鋼、長距離大型商用車、海運、エネルギー貯蔵などの分野で、化石燃料や化石由来の原料をグリーン水素に置き換える試験運用プロジェクトを支援しています。
本セッションでは、ネットゼロ社会の実現に向けた低炭素水素の可能性と、水素の本格的な利活用に向けた課題について議論します。
デービッド・サンダロー
ICEF 運営委員
元米国エネルギー省(DOE)次官代行
コロンビア大学世界エネルギー政策センター 創立フェロー
コロンビア大学国際関係公共政策大学院
エネルギー・環境部門 共同ディレクター
ゲオルク・エアトマン
ICEF 運営委員
ベルリン工科大学 エネルギーシステム
退官教授
KSB Energie AG 理事長
シー・チェン
カーネギー研究所 博士研究員
テクノロジーセッション 3
17:30 - 18:30
食料・農業分野の気候変動対策
COP28では、初めてフードシステムと気候変動の相互作用に焦点を当てた首脳級宣言(COP28 UAE Food Declaration)が発表されました。この宣言は、食料・農林水産セクターにおける持続可能な開発と気候変動対応の強化を目的とし、持続可能な生産性の向上を目指した革新の推進を提唱するとともに、それを実現するために必要な持続可能な消費と生産への転換を推進するものです。159カ国がこの宣言に賛同し、気候変動に配慮した食料安全保障への支援を確約しました。
世界食糧計画(WFP)のもと、国連は42カ国で干ばつ、洪水、暴風雨などの気候変動問題に対する支援を行っています。しかし、2022年だけでも、5,700万人近くが気候の影響により飢餓状態に陥っており、世界的な保護と支援の必要性が明らかになっています。
食料・農林水産セクターは、しばしば二酸化炭素の吸収源と考えられています。逆に、温室効果ガスの大きな排出源でもあります。多くの国や民間企業が、これらの排出を削減・抑制するための解決策を見出す活動を急速に促進していますさらに、最近の農作物価格の高騰は、世界の食料安全保障に対する懸念を高めています。
本セッションでは、食料・農林水産セクターにおけるフードシステムの現状と課題について議論し、これらの問題を緩和するための方策、適切な食料安全保障のための戦略、そしてこのセクターにおける持続可能な開発と気候変動対応のための急速な転換に向けた経済効率化について審議します。
アドナン・Z・アミン
ICEF 運営委員
ハーバード大学ケネディースクール
科学・国際関係ベルファーセンター
シニアフェロー
国際再生可能エネルギー機関(IRENA)
名誉事務局長
COP28 議長上級顧問
バリー・ムーサ
ICEF 運営委員
大統領気候変動調整委員会 副議長
元国際自然保護連合(IUCN)会長
宇木 俊晴
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO)
イノベーション戦略センター アグリ・フードテックユニット ユニット長
トゥイ・ティ・タイン・グエン
農業農村開発省 科学技術環境局長
ベトナム農業農村開発省「ベトナム農業農村開発ジャーナル」編集長
ジョコ・トリ・ルビヤント
ワールドフードフォーラム、アジア太平洋地域青年政策委員
ライズファウンデーションインドネシア、食料プロジェクトコンサルタント
10月10日(木)
プレナリーセッション 2
9:00 - 10:30
気候変動分野における革新的なファイナンス
モデレーターイスマイル・セラゲルディン
ICEF 運営委員
ニザーミー・ギャンジャヴィー国際センター
評議会 議長
アレキサンドリア図書館 創立名誉館長
元世界銀行副総裁
ウー・チャンホワ
ICEF 運営委員
ジェレミー・リフキンオフィス
中国・アジアディレクター
アジア・太平洋水フォーラム執行審議会 議長
ハフィズ・ガネム
ポリシーセンター・フォーニューサウス上級研究員
ブルッキングス研究所非常勤上級研究員
アミール・A・ドサル
グローバル・パートナーシップ・フォーラム社長兼代表取締役
ブロードバンド・コミッション・フォーサステナブル・デベロップメント、設立コミッショナー
世界経済フォーラム 健康とヘルスケアセンター 元特別研究員
パーミンダー・チョプラ
パワー・ファイナンス・コーポレーション・リミテッド会長兼マネージングディレクター
小西 哲之
京都フュージョニアリング株式会社代表取締役社長
京都大学名誉教授
フュージョンエネルギー産業協議会会長
レイチェル・D・スラッシャー
ボストン大学グローバル開発政策センター研究員
スペシャルセッション
10:45 - 11:45
ICEF ロードマッププロジェクト「人工知能(AI)と気候変動緩和 第2版」
モデレーターデービッド・サンダロー
ICEF 運営委員
元米国エネルギー省(DOE)次官代行
コロンビア大学世界エネルギー政策センター 創立フェロー
コロンビア大学国際関係公共政策大学院
エネルギー・環境部門 共同ディレクター
アルプ・クチューケルビア
フェロ研究所 チーフサイエンティスト
コロンビア大学非常勤教授
マライア・カーター
ルーモアテクノロジー CEO
元NRGエナジー シニアデータサイエンティスト
ミハエル・ナクマニー
クライメート・ポリシー・レーダー創設者兼CEO
桑畑 玲奈
国際エネルギー機関(IEA)エネルギーアナリスト(電力システム改革)
キーノートセッション
12:55 - 13:00
テクノロジーセッション 4
13:00 - 14:00
原子力エネルギーの未来
モデレーターエイヤ-リイタ・コーホラ
ICEF 運営委員
欧州経済社会評議会 CCMI代表
山地 憲治
ICEF 運営委員
公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)理事長
東京大学 名誉教授
田中 伸男
ICEF 運営委員長
元国際エネルギー機関(IEA)事務局長
タナカグローバル株式会社 代表
岩田 夏弥
大阪大学レーザー科学研究所 教授
ジェフ・ワックスマン
米国国防総省プログラム・マネージャー
ファン・ジュホ
韓国水力原子力発電(KHNP)CEO
ダイアン・M・J・キャメロン
OECD原子力機関 原子力技術開発・経済部 部長
関口 美奈
リゾナンシア合同会社代表
五洋建設株式会社社外取締役
日本原子力研究開発機構監事
テクノロジーセッション 5
14:15 - 15:15
持続可能な海上輸送
モデレーターゲオルク・エアトマン
ICEF 運営委員
ベルリン工科大学 エネルギーシステム
退官教授
KSB Energie AG 理事長
ヴィクラム・S・メータ
ICEF 運営委員
センター・フォー・ソーシャル・アンド・
エコノミック・プログレス(CSEP)研究財団 会長
川北 千春
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)グリーンイノベーション基金 プロジェクトマネージャー(次世代船舶)
水素・アンモニア部 次世代船舶チーム チーム長
横山 勉
日本郵船株式会社
執行役員
シューリン・チェン
タスマニア大学 オーストラリア海事カレッジ 海事物流管理センター センター長
タスマニア大学 オーストラリア海事カレッジ(AMC)准教授
セルマ・ブリノルフ
チャルマース工科大学研究員
スペシャルセッション
15:30 - 16:30
気候変動×若きイノベーター
モデレーターバリー・ムーサ
ICEF 運営委員
大統領気候変動調整委員会 副議長
元国際自然保護連合(IUCN)会長
坂野 晶
ICEF 運営委員
一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパン
代表理事
一般社団法人Green innovation 共同代表
株式会社ecommit 取締役CSO
(Chief Sustainability Officer)
シー・チェン
カーネギー研究所 博士研究員
閉会式
16:45 - 18:15
閉会式
ICEF運営委員によるICEF2024の総括とICEF2025へ向けてのコメント
デービッド・サンダローICEF運営委員のロードマップ紹介
山地憲治ICEF運営委員のステートメント発表
田中伸男ICEF運営委員長の総括
斎藤保 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)理事長の閉会挨拶